日本復活への道は「官僚」にあり。政治主導の意味を履き違えている
田母神俊雄が「獄中ノート」で記した「日本の敵」論考 第4回
「閣下」の愛称でおなじみの田母神俊雄は2016年4月14日に逮捕され、厳しい取り調べを受け、東京拘置所で169日間勾留された。その時に田母神がメモし、熟成された論考が、最新刊『日本の敵』(KKベストセラーズ)で著された。閣下は獄舎で何を思ったのか。獄中ノートとともに掲載する。
戦争の定義が「情報戦」に変わった!
例えば、敵を倒すにはどうすればいいか。手っ取り早い話、戦争。互いに武力で殲滅し合う実力行使。確かに、70年前までは戦争が外交の「カード」になったろう。
しかし今や、核武装が当たり前の時代、戦争の持つ意味が変わりかけている。田母神はこう語る。
「中国が尖閣の海に入ったことをニュースで煽り、日本国民を不安にする。その解決策は簡単なことだ。領海侵犯なので、1隻沈めちゃえばいい。いやむしろ、それが日本ができないことを知っているからやり続ける。北朝鮮のミサイルもそう。金正恩も一国の領主。バカや狂人ではトップは務まらない。ミサイルは日本に撃つはずがない」とし、ここが重要だと力説。
「今、戦争の意味は“情報戦”の時代に変わっている。例えば、北朝鮮のミサイルが落ちると日本国民を不安がらせて、どんな既成事実が作られるのか。つまり、北朝鮮のミサイルを迎撃する兵器の装備の急務です。つまり、誰が得するのか、アメリカの軍需産業ですよ」
なるほど。戦争の定義が変わった。今や、情報戦の時代。だとしたら、国内政治ではどんな情報戦が仕掛けられたのだろうか。
田母神の獄中ノートにこう記されている。